エネルギー転換戦略の経済効果


図 2 化石燃料輸入額

<解説>

エネルギー転換戦略(上図対策シナリオ)によって、日本の化石燃料輸入額(年間約 20 兆 円)を、2010 年に比較して 2030 年に約 50%、2050 年は約 90%、それぞれ削減でき、多額の国 富流出が回避できる(燃料輸入単価は IEA 世界エネルギー白書 2018 推定を使用)[1]。


図 3 国内光熱費

<解説>

エネルギー転換戦略(上図対策シナリオ)によって、家庭や企業が支払う光熱費(年間約 40 兆円)を 2015 年と比較して 2030 年に約 30%、2050 年は約 60%、それぞれ削減することが可能 となる。


図 4 光熱費削減と対策設備投資(2018〜2050 年までの累積額)

<解説>

エネルギー転換戦略では、そのために必要となる累積での対策設備投資額(省エネ機器追加投 資額や再エネ機器投資額など)は、実現される光熱費削減額よりも大幅に小さい。対策設備投 資は回収可能で、回収後は純利益になる。また、対策設備投資の多くは国内企業へ向けられる ことで日本経済を活性化させる。一方、これまで光熱費の多くは輸入化石燃料の支払い海外へ の国富の流出となっている。これが大幅に削減されることも日本経済の活性化につながる。な お、光熱費削減額は対策なしとの差分である。

経済雇用効果

  • 2050 年までの累積設備投資額約 250 兆円、年間平均約 8 兆円
  • 雇用増約 80 万人(人件費 1000 万円で単純計算 [2])
  • これとは別に光熱費削減で浮いた分を各主体で投資または消費(貯蓄・内部留保
  • 以外)に回すことを考慮すると、2050 年には 25〜30 兆円の投資効果(2050 年ま で徐々に増加)、雇用増数百万人

<注>

[1] エネルギー転換戦略における再エネ導入量や電力需給量などに関しては、本稿資料編を参照のこと。

再生可能エネルギーなどへの投資による雇用者数の計算に関しては、産業連関表などを用いた方法もあ り、いくつかの研究機関が独自に数値を発表している(例えば、国際再生可能エネルギー機関 https://irena.org/benefits/Job-Creation)。それらの数値は、ここで示したような簡易な方法で計算した場合 と大きな相違はない。また、米国では、再生可能エネルギー投資による雇用者数に関して、2016 年まで は米国政府のイニシアティブで、2018 年からは民間のイニシアティブで、各州、各発電エネルギー技術 の詳細な雇用者数を調査して発表しており、非常に参考になる(例えば、Clean Jobs America, https://www.e2.org/reports/clean-jobs-america-2019/)